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子猫を拾った話①

これは私が学生の頃、子猫を拾ったときのお話で、「生命の重み」を深く考えさせられた記録です。

 その頃の私

当時、私は大学院に進学したばかりで、研究室での生活にストレスを抱えていました。癒しといえば、犬や猫の動物動画を見ることで、こんな子達と一緒に暮らせたら、毎日癒されていいだろうなぁ、なんて考えていたました。

まさか、この時は自分が子猫を拾うなんて考えもしなかったのです。

 出会い

ある6月の雨が降っていた日。

外の空気を吸いに研究室から出てみると、「ギャー、ギャー」と小さいけど、必死に鳴く声が聞こえてきました。ふと顔を向けると、茶白で鍵しっぽの子猫がうずくまって鳴いていました。近づいても、全く逃げなくて、とても弱っていることがわかり、まるで必死に助けを呼んでいたかのように見えました。

私は、どうしていいか分からず、とりあえず研究室に戻り、先輩に報告しました。先輩と一緒に戻ってみると、まだ子猫はそこにいて、ずっと鳴き続けています。

先輩が子猫を抱き抱えても、子猫は全く抵抗せず、なされるがままにされていました。とりあえず、建物の中に移動し、研究室にあったカゴの中にタオルを敷き詰めて中に子猫を入れました。すると、鳴き続けていたのがピタリとやみ、そのままかごの中で安心したかのように眠ってしまいした。

今思うと、雨の中、一人ぼっちで寂しくてたまらなかったんだろうなぁと思いました。

↑拾ったばっかりの頃

 子猫との生活の始まり

子猫が眠ってしまったので、とりあえず研究室に戻りましたが、この後どうするか迷いました。この後、雨の中、外に置いてけぼりなんてできないし、かといって自分に世話ができるとは思えませんでした。先輩が猫を飼っていたので、もしかしたらと思いましたが、これ以上は引き取れないとのこと。悩んだ結果、里親を探す間だけ、我が家で面倒を見ることに決めました。

とは言ったものの・・

動物なんて今まで飼ったこともなく、知識はおろか、ペット用品も持っていなかったので、とりあえず、子猫と一緒に先輩のお家にお邪魔。先輩のお家には、猫ちゃんが2匹いて、子猫を見た猫ちゃんたちは、シャー攻撃😅

子猫ちゃんはすっかり萎縮してしまい、今まで我慢していたのか粗相をしてしまいました。かわいそうに。

すると、先輩がお風呂に入れてくれて、ついでにノミ取り用のシャンプーをしてくれました。見つけた時はあまり気にしなかったけど、結構汚れていて、匂いもありました。

綺麗になって、乾かしてあげるとまた、疲れて眠ってしまいました。先輩のお家で、使われていない猫用トイレとペット用シート、それからカリカリをいただき、自宅に帰宅しました。

家についた途端、急に不安になり、後悔の念が出てきました。私は、無責任なことをしてしまったのではないかと・・生き物を飼うことの重みを痛感し、涙が出てきました。

次の日、元気に跳ねている子猫に起こされ、時間を見てみると夜中の3時・・まじか。

そして、カーペットの湿り具合・・まじか。猫用トイレは置いてたけど、どうやら失敗してしまったみたいです。

大学に行くまでに、片付けをしましたが、このまま置いてくのはすごく不安・・・

そこで、付き合っていた彼氏に連絡し、様子を見にきてくれないか、とお願いしました。彼は快く引き受けてくれて私も少し安心しました。お昼前くらいに、彼氏から一報があり、「ちゃんとトイレでしてたよーっ」とのこと。力が一気に抜けてほっとしたのを覚えています。

お昼時間に一度自宅に帰って、様子を見てみると、彼氏と彼氏の腕元でうずくまって寝る子猫を見て、さらに一安心。

↑ぐっすりお昼寝中with彼氏

なんとか、その週は彼氏と交代で面倒を見てやり過ごし、休日に病院に行きました。拾った時より、だいぶ元気にはなったみたいだけど、里親探しをする上で、病院にも行っておくべきだと思いました。

病院では、生まれて2ヶ月の男の子だとわかりました。とても痩せていて体も小さかったので、一緒に保護してくれた先輩は1ヶ月くらいだろうと言っていたけど、もう1ヶ月も長く独りで生きたのね。

ご飯を食べる時は、それはもう、とてもガッつくように食べていて、誰にも渡さない気持ちが伝わってきていました😅野良時代にとても飢えていたんだと思います。チュールが特に大好物!さすがチュール

 

病院でダニを殺す薬に抗生物質の粉薬をもらい、1週間も経つ頃には、とても元気なやんちゃな子になりました😌

 

 里親探し

子猫の体調もよくなってきて、トイレも覚えて、子猫のいる生活にも少し慣れてきた頃、登録していた里親探しサイトから「子猫を引き取りたい」との連絡がきました。

私は嬉しくて、すぐ返信し、引き取り日等を決めました。

次の日、研究室で、先輩に子猫の引き取りが決まったことを報告しました。

最初は、先輩も喜んでくれましたが、引き取り相手先のプロフィールを見せると、先輩は曇った表情・・・どうしたのかと問うと、何やら怪しいとの言葉が・・「こういうサイトを介して、虐待目的で引き取る人もいるんだよ。念のため、身分証を見せてもらうように連絡したほうがいいかも」と言われました。

そういうリスクを全く知らなかった私は、突然怖くなり、サイトを通じて、身分証の分かるものをお願いしますと連絡しました。しかし、その後、返信が返ってくることはありませんでした。

それから、連絡がないまま、引き取り日を向かえました。一応念のため、先輩にも同行してもらい、待ち合わせの場所で待っていたのですが、予定時間を過ぎてもその人らしき人が現れることはありませんでした。

私は、騙されたような悔しさと子猫との生活がまだ続くという不安で、精神的にとてもショックを受けました。

この時は、早く子猫との不安な生活から解放されたくて仕方なかったんですね・・・

家に帰ると、どっと疲れが出てきました。気分が下がった私を差し置いて、いつもと変わらず、子猫は無邪気に遊んでいます。「人の気も知らずに呑気だなぁお前は〜」なんて言っても、なんのことやらの顔。

その顔が、なんだか可愛くて、おかしくなって笑えました。人の都合だし、君は何も悪くない。この子に当たるなんて自分が情けなく思えました。

確かに、すっぽかされた事には腹が立ったけど、この子をそんな人の元へ行かせなくて本当に良かった。確かにお世話は大変だし、生半可な気持ちで引き受けた自分を責めていますが、この子が与えてくれる癒しは、どんな不安や辛いことも吹き飛ばしてくれます。

一度救った生命なら、この子が幸せになる方法をめげずに探そうと決めました。

(君の幸運の鍵しっぽは、私をひっかけたのかなぁ)

なんて考えながら😌

↑すっかり美猫さんに❤️

次は、里親探しのボランティアに参加した話と引き取り先が決まった話です。

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