子猫を拾った話①の続きです。
里親探しのボランティアグループの活動に参加
次に、行動に出たのが、町内で月3回くらいの頻度で開催している里親探しのボランティアに参加することでした。このボランティアグループは、飼い主のいない犬や猫の譲渡会を行う活動をしていて、外部からの人も一緒に参加させて貰えます。もしかしたらいい出会いがあるかもしれないと思い、私も子猫を連れて参加してみることにしました。
当日、子猫をキャリーに入れて連れて行ってみると、たくさんの犬や猫がケージの中にいました。みんな里親探しの子たちなんだぁと近寄ってみると、可愛い子達ばかりで、うちの子猫より小さい赤ちゃん子猫までいました。
譲渡会に参加するには、まず、子猫を専用のケージに移す必要がありました。しかし、たださえ慣れない環境でビクついていた子猫は、急にケージに入れられて、動揺が隠せない様子。最初のうちは、不安そうな目でずっと悲しい鳴き声をあげており、それを見ているのが、どんどん辛くなってきたのですが、これで、里親さんが見つかればと思い、見守ることにしました。
少し時間が経つと、大分慣れてきた様子で、立ち寄ってくれた方に自ら顔を近づけたりもしていました。威嚇したり、怖がっている様子はなく、人に対して恐怖心は持っていないようだったので安心しました。そういえば、最初から人のこと怖がってなかったし、肝っ玉すごい子なのかも。
しかし、初日でストレスも沢山かけてしまっているので、その日は最後まで残らず途中で帰ることにしました。
(急に連れ出して悪いことしたな〜)と考えながら、家に着いてキャリーを開けると、ぴょんと子猫が飛び出し、一目散にベッドの下に・・・
やっぱり嫌だったかぁ〜と思って、「ごめんね」と何度も謝りましたが、許してくれる気配は一向にありません・・・そりゃそうだ。
声をかけても聞いてないフリで、完全にいじけモード。このとき、「あ、嫌われてる」と強く感じました。
人間と喧嘩しているみたいに気まずい空気で、仲直りするまでに、2日間くらいかかりました。泣
思った以上にストレスだったらしく、さすがに可哀想だと思い、譲渡会参加は初日で断念することに。泣
里親さんがついに見つかる!
譲渡会も失敗に終わり、次はどうしようかと思っていた矢先、先輩から連絡がありました。なんと先輩のバイト先の友達が猫を欲しいと言っているとのこと!
先輩の知り合いなので、安心もできたので、すぐに引き渡す日取りを決めました。
そして引き渡す日。
里親さんが見つかってから、ずっとほっとした気持ちだったのに、この子と居るのも最後かぁと思うと急に寂しくなってきました。おやつのチュールやお気に入りのおもちゃもバッグに入れて、待ち合わせ場所に向かうと、女の子が座ってまっていました。すぐに連絡をくれた子だとわかり、駆け寄ると、私の連れてきた子猫を見てとても嬉しそうな笑顔に。
この人なら大丈夫だと思いました。話を聞くと、飼っていた猫ちゃんが脱走してしまって寂しい思いをしていたところ、この話を聞いたとのことでした。この巡り合わせに本当に感謝です。
子猫を女の子の腕の中に渡して、2人が去っていくのをぼーっとしながら見送り、「終わったなぁ」と呟きました。
嬉しいのと寂しい気持ちが混ざり合う
子猫を引き渡して、数日後。
心にポッカリ穴が開いてしまった私は、子猫がいなくなった部屋に寂しさを感じていました。猫の画像や動画を見ると、子猫のことを思い出して、悲しくなってしまうので、見ないようにしていました。
私には、飼い続けることは出来なかったし、子猫にとっても、女の子に貰われた方がきっと幸せになれると分かっています。それが実現できて、達成感や嬉しい気持ちもあるのに、しばらくの間、寂しい気持ちが離れませんでした。本当に身勝手だと感じます。
ただ、名前をつけなかったのは幸いでした。何度もつけそうになったのですが、いつか来る別れのために、あえて付けずにいました。
付けていたら、もっと立ち直れなかっただろうなぁと思います。
名前が決まった!そして、いい思い出に
予想以上の子猫ロスに落ち込んでいた私でしたが、しばらくして、子猫をもらってくれた女の子から、連絡がきました。
その内容は、子猫を譲ってくれたことへの感謝と、子猫がみんなから愛されているということ。
そして、すっかり大きくなって甘えてるあの時の子猫の写真。もう子猫ではありませんでした。
名前は、太郎吉(たろきち)に決まったそうです!いい名前も付けてもらって、表情も少し変わったように見えて、女の子の家族になったんだねって踏ん切りがついた気がしました。
太郎吉の幸せそうな姿を見れて心から安心し、幸せにすることができて本当によかったと思いました。
気づけば、寂しい思いとかも消えていて、見ないようにしていた昔の太郎吉の写真を見て笑顔になっていました。
もうあの頃から何年も経つけど、太郎吉は元気かなぁなんてたまに考えます。最初は、辛い思いもしたし、中途半端に拾ってしまったことを申し訳なく思うこともあったけど、あの時、太郎吉を拾ったことは決して間違っていなかった。私自身も成長できた大切な思い出です。幸運の鍵しっぽは、間違えなく私をひっかけましたね(笑)